自閉症に対するサークル・キュア ~自閉症への生態系治療の要点~ 私が今取り組んでいる自閉症の治療は、大きく分けると3段階になっています。 自然が破壊され、環境問題や健康被害が大きく取り上げられるようになって来た昨今、一部の先進的な農家さんの中では、「自然農法」に取り組み、健康な野菜作りをしようとされています。その方法は「生態系栽培」、アグロエコロジーという言葉が使われたりします。生命の法則、自然に寄り添う農業です。そして、その延長線上にある環境までも変えてゆこうとされています。リジェネラティブ農業(環境再生型農業)と言います。アメリカでも、実際その成果を上げつつあります。自然には、健康な元の状態に戻そうとする「再生力」があるのです。 人は自然の一部であると言われます。「自然」である以上、その根本的な原則は同じです。食生活や生命の循環、共生、自然に寄り添って生きること。生命のつながり「生態系」によって治療・再生されていくところがあるのではないかと推察します。だから、「生態系治療」という表現を使っています。 前置きはこのくらいにして、今回は要点のみを、箇条書きでお伝えいたします。 ① 栄養療法(食事療法)・・・食事を薬とする 自然を取り込んでゆく。空気・水・食べ物。 食事は農業的行為である。食事を通して自然環境につながっている。(生態系の循環に参加する) 不足分はサプリメントで補う。(現代人の多くは質的な栄養失調) ② 腸内環境を整える(腸活)・・・お腹の中の土づくり 「腸活」を行う。発酵食品を多く食べ、菌のエサとなる食物繊維(有機野菜)をしっかり食べる。 腸内環境は土壌環境とよく似ている。土が健康ならば野菜はよく育つ。同じように、腸内環境が改善されれば、栄養の吸収や免疫機能が向上し、神経伝達物質の産生も活発になる。 最終的に決め手となるのは「菌移植」(腸内フローラ移植) 次世代シーケンサーにより、腸内細菌叢のDNA解析を行い、菌の量、種類、バランスを調べることができる。 腸内細菌が脳を育てる。成長の角度が変わる。「共生」をベースとした本来の成長の軌道に戻る。 菌移植と食事療法は並行して行うといい。移植した種菌が、食事によって大切に育ってゆく。 ③ 自然への回帰・・・自然との共生 土にふれる生活=菌にまみれる生活をする。 自然農法の畑で過ごす。「1反百姓」を目指す。(Weekend Farmer) 子育てには、「森のようちえん」のような場所が一番いい。 生命のつながり(生態系)によって、人と地球を生かす。これがサークル・キュアです。 ジブリの映画『天空の城ラピュタ』で主人公シータは、 ★ 自閉症の治療は ⇒ 栄養療法+腸活(菌移植)+自然への回帰 自閉症の治療は、まだ推測や研究段階のものが多く、必ず治るというものではありません。 上記に挙げた方法(方向性)で、誰に対しても同じ結果を保障できるというものではありません。だから、ご自身でよく考えた上で、自己責任で行うようお願いします。 自閉の子は、極端な「偏食」があり、食に対しても「こだわり」が強く、食事を変えることは大変なのですが、サプリなどを活用して栄養バランスをとり腸内環境が改善されてくると、食生活は変わってゆきます。腸内細菌が食の嗜好を変える。 「菌移植」の効果は、人によってまちまちですが、腸内細菌の多様性が増すと、精神面や社会性などにも思わぬ効果がみられることがあります。「脳腸相関」で、腸内の変化は脳に影響を与えるようです。ただ、1000種類とも言われている菌の全てが解明されているわけではありません、いろんな菌がいるということです。大海に飛び込むような勇気がいります。 サークル・キュアは人間のみならず、生命全てに通ずる療法です。 人は「自然」なのだから、自然に帰るのが一番。 希望を捨てずに、自ら正しいと思う方向に進んでゆきましょう。 ※ 「サークル・キュア(Circle Cure)」とは、私が作った造語であり、言葉の示す通り「生態系治療」を意味します。生態系とは、私の解釈によると”生命のつながり”のことであり、生態系を整えること(多様性を高め、つなぎ合わせて、ネットワークを築き、円滑に循環させること)によって、本来の自然な状態(健康)へと治療してゆこうという試みです。 生命によって、生命を生かす。人を生かしえるのは、生命のつながり(生態系)なのです。 2023.6.4 俊邦父 |