「自然に近い有機栽培」

すべては「土」から始まった。
「土」がスタート地点。良い土(土地)さえあれば何でもできる。
「農園」には、人が生きていくうえで必要な多くの物(自然の恵み)がある。
あらゆるサービスへと繋がっていく“宝の山”のような場所。
生態系を身をもって学んでゆける最良の場所。
全ては土から始まる。神は「言葉」によって、土から人と万物を創造された。

「有機」とは、“生命がある”ということ。“いのちのしくみを有する”こと。
だから、「有機農業」とは、いのちの働きによっていのちを生み出す農業、ということになります。(生態系農業と同意)
※単に有機物をつかっているから有機栽培というわけではありません。“いのちのしくみ”に合わせることが大切なのです。

自然農・自然栽培(自然農法)に学びながら、なるべく自然に近づけていく「有機栽培」を行っています。

○ 基本的な方針

無農薬・無化学肥料による栽培、循環型の有機栽培、不耕起栽培、草生栽培、多品種栽培、などのできるところから始め、徐々に「自然農」や「自然栽培」に近づけていくという考え方です。
はじめから完璧は求めず。土地と人に合わせて、できることを「いいとこ取り」で取り入れる。
ただ、方向性としては「自然の生態系」に馴染む、人と自然に優しい農業を目指します。

【循環型の有機農法】

痩せている土地では、いきなり自然農法といってもよい作物はできませんし、土地が肥えていくまでに時間がかかります。それで必要な場合は、有機肥料を自然な形で入れます。(循環型の有機栽培)手作りの野草堆肥とボカシ肥が中心。
野菜の顔色をうかがいながら、肥料切れなら「ボカシ肥」を周りにおいて軽くすき込む。

土から生じたものは土に返す。
畑から持ち出す有機物は収穫物だけ。あとは全て畑の生態系の中に戻します。
「育土」:我々は、土を作るのではなく、土を育てる。そうすれば、土が野菜を育ててくれる。

【不耕起栽培】

土の中には生き物がたくさんいます。土壌の生態系を崩さない(微生物を殺さない)ためになるべく耕さないようにしたい(不耕起)。ですが、根穴構造が充分でなく、土が固く通気が悪い場合は、ザックリと空気を通すように耕します。または、全面耕耘は行わず、植付ける場所だけほぐすように耕します。(部分耕うん)
畑を耕す主役は、植物の根・ミミズ・微生物の三役です。

【草生栽培】

畝は、基本的に固定です。崩れた分だけ土揚げ(溝切り)を行い、畝の形を整える。
土をなるべく動かさないようにして、一度立てた畝を何度も使いまわしする。
畝の上部は「草マルチ」で覆う。枯草の下は保湿され、微生物がいっぱい。(畑を裸にしない)
作物の生育の邪魔にならない雑草はあまり気にしない。(草生栽培)
除草は根を残して刈り取る。根は土を耕し、有機源として土の中に残る。
刈り草は、必要に応じて「草マルチ」にしたり、野草堆肥にするために積み上げておく。
「雑草は資源」貴重な有機物であり、それが形を変えて野菜の一部になっていく。

【多品種栽培】

栽培プランは、生物の「多様性」を維持する為に、いろんな作物を植えて混生・循環させてゆきます。多様性とバランスは、健康の秘訣です。コンパニオン・プランツを活用する。
病害虫から畑を守るためには、多様性を維持すること。通気性や保水、日当たりなどの環境を整えること。

【自然農薬】

農薬は、化学的に合成されたもの(特に土壌に残留する物)は極力使わないようにします。例外として使うのは、人体に害のある悪質な病害虫が発生した時、と近隣の方に被害が及び多大な迷惑をかける場合くらいです。
普段、必要な場合は「自然農薬」と呼ばれる、自然由来の成分(天然成分)の薬、竹・木酢液や穀物酢、トウガラシやニンニクなどを組み合わせて用いる。後は、よく観察して手で取る。益虫を増やす。虫が嫌がる仕掛けをする。

【野草堆肥づくり】

雑草は刈り取った後、必要量「草マルチ」として畝の上に敷く。
残りは「堆肥」にするため野積みにしておく。作物残渣は野草の間に挟んで積んでおくと一緒に堆肥になる。時折切り返しながら空気を入れ、約半年で堆肥ができる。腐植の下にはたくさんのミミズが育っている。
「堆肥」は植付け前に、畝の上にまき、軽くすき込んでミミズといっしょに土に馴染ませる。

【ボカシ肥】

追肥には「ボカシ肥」を使う。牛糞・鶏糞・腐葉土・菜種油粕・米糠など、菌とませて発酵させる。約2週間で即効性の高い有機肥料の完成。
草マルチ・野草堆肥・ボカシ肥は、畝の上に置くだけでも、微生物が土の中へと運び分解する。雨水とともに下へ下へと浸透してゆく。自然の営みにより肥沃な土地へと変化していく。
畑は植物の根と微生物によって耕されていく。

【自家採種】

なるべくF1=一代交配種のタネを使わずに、固定種のタネを使おう(地域の「伝統野菜」の種など)。そして収穫が終われば「自家採種」する。芋なら種イモを保存する。イチゴなら子株を増やす。
自家採種を3年続けると、その土地に馴化し、健康な地方野菜となっていく。「雄性不稔」を利用したF1種、強引な品種改良や、遺伝子組み換えの心配もない。

以上のようなことが、「自然に近い有機栽培」における基本的な栽培管理のポイントです。

後は、育てる野菜の個性・特性に合わせて育てる。原産地の気候条件に近づける工夫をしたり、地元野菜を中心に栽培する。旬・適期を外さないように種まき(植付け)収穫を行う。

野菜は知性をもち、人間を感じとっているという。
よく畑に足を運び、よく観察し、声をかけ、愛情を注ぎ、手入れをしていくと、野菜は全てを記憶し、それに応えてくれる。きっと、「自家採種」してゆく種のDNAの中には私たちのことが記録されている。
そして、家族のような野菜たちとの長い付き合いが始まっていく。
土とそこに棲む生き物たちに感謝しよう。

2016.3.23



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