.  『農業について』・・

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 人が生きていく上において、「農業」は欠くことのできないものである。

人は食べねばならない。その為には、自然から恵みをいただいて、その中で共存してゆくしかない。木を伐り、土を起こし、収穫する。生き物を殺すこともある。
見方によれば自然破壊、収奪になるかもしれないが、生き物である以上食べねばならない。大切なのは自分のまわり、そして地球全体において生態系を維持してゆかなくてはならないということ、バランスが大切。必要なものを必要なだけ取る。

人がかかわることによってできた自然にも、鳥はさえずり、虫は鳴き、数多くの動植物が共存している。人間の生存活動が必ずしも悪とは限らない。
人間も「生き物」の一員として自然界の中で恵みをいただきながら共存する道があるはず。
人間も自然の中の一員であればいい。

日本の里山の光景に安らぎを感じるのは、そこに調和した生態系が築かれているからである。人と自然が共同で作ったバランスのとれた生態系、だから美しく、心が安らぐ。
そこでは、人も、鳥も、魚も、小さな虫たちも、動物や木々や草花など、すべてが生き生きとしていた。

 かつて、人は皆、土とともに生きてきた。
農業によって人は食べ物を得て、生きてこれた。
パソコンや携帯、コンビニなどができたのはごく最近のことである。
何代か先祖をたどれば、農家に行きつく。
誰もが、土とともに生き、農業に携わっていた。
自然とうまく付き合いながら生きていた。
人は文明と科学の発達によって、何でもできるような錯覚に陥り、
傲慢になって生きるための土台である自然を蔑にした。

【農業と障害者】

 障害者にとって、最もわかりやすい仕事の一つが「農業」である。
知的な障害のある子供たちに、まずさせてあげたい仕事のNo.1は農業である。
人間にとって「食べる」という行為はもっとも基本になること。
「農業」はそれに直接的にかかわる仕事である。
すべての仕事はそこから始まったと言っていいほどのものである。
人が食べてゆくために必要な仕事。

大切な事(キーポイント)

  1. 農業で「生命」を育み、働くことを学ぶ。
    → 自然から恵みをえる。生産活動と収穫の喜び。(野菜作り)
       畑仕事で労働の喜びを体感する。

  2. 耕作放棄地を耕し、放置林の手入れを行う。
    → 自然環境を保護する。人の役に立つ喜び。(社会貢献・エコ活動)

  3. 身近な自然の中にも、素晴らしいものがたくさんある。
    → 大阪の自然を十分に活用する(森林インストラクターの役割)

  4. 基礎体力と自立心を育くむ。
    → 自分で考える力(自己の確立)、「生きる力」を身につける。

『農園チーム』における3つの活動の融合

身近な自然と農業、就労支援(福祉)を結びつける。
相互にプラスの作用をもたらし、調和のとれた充実した活動になる。

福祉と農業と環境、この三つをうまく融合させることにより、素晴らしいサービス提供ができるのではないかと考えている。

  • 福祉(介護福祉士・就労支援ワーカー)
  • 農業(野菜作り・有機栽培・自然農法)
  • 環境(森林インストラクター・自然観察会・ハイキング)

この3つはとても密接な関係にある。
感動と癒しがあり、とても健全で、人間らしく、自然にもやさしい。
「生命」を大切にする活動である。

2011.2.23


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