「しあわせ農園」の基本的な管理方法

自然の循環、生命のつながり、心のつながりの中で野菜を育てたい。

@ 自然の「生態系」に沿った栽培を心掛ける。

畑は「生態系」(生命のつながり)を知るための“学びの場”と考える。

本当の『有機』を追求する・・・「生命の仕組み」が有る農業(生態系栽培)
自然の力を最大限に発揮させ、人間はそのバランスを保つための補助(手伝い)を行い、成長と自立への「支援」を行う。

A 生物の多様性を重視する。

緑にあふれ、多様な生き物がいっぱいいる畑を目指す。(虫や雑草も畑の仲間として考える)
畑全体の活力・生命力を高め、そのバランスによって生存を維持する。(共生・共存)
それぞれの生き物に個性があり、役割があり、存在している意味がある。

「多品種栽培」を基本とし、土壌成分が偏らないようにする。
土の中の多様性や生命力も重視する。

B 『土』を育て、大切にする。

基本的には「不耕起栽培」。
幅広(1.5m)の畝を固定し、生態系の基盤となる土壌の生命力を維持する。
栽培のため必要な「部分耕」は行う。(未熟な野菜を育てるための支援と考える)
しかし、畑全体の生態系を崩すような全面耕耘はしない。

土の中は生命がいっぱい。土壌の生態系を崩さない。ダメージを与えない。殺さない。
一握りの土に10億を超える生命が存在する。(多様な微生物)

C 緑がいっぱいの畑。「草生栽培」を行う。

なるべく土(畝の表面)をむき出しにしない。有機物で覆う。
雑草は必要に応じて刈るが、根は残す。刈った草は畝の上に「草マルチ」としてかぶせる。
「草マルチ」が土の乾燥を防ぎ、土壌生物の活力が向上する。
(ミミズや微生物の棲家となり、食料にもなる)
有機物が畝の上に重なり合って、順に分解され循環してゆく。(炭素循環)
「雑草も草、野菜も草。」食べられるか食べられないかの違いだけで、草であることに変わりはない。雑草が元気に育つところは野菜も育つ。

D 無農薬・無化学肥料で栽培する。

土壌の生態系を守り、生物の多様性を維持する為に、植物や微生物にとって害となる、農薬・化学肥料は極力避ける。土を殺さない。
(人体に危害が及び、近隣に迷惑がかかる場合は消毒する。)

害虫・病気には、輪作、コンパニオン・プランツ、自然農薬で対処する。
土が痩せている場合は、ボカシ肥や有機肥料、野草堆肥を入れる。

E なるべく、地方の「固定種」のタネを使用する。(地域の伝統野菜を育てる)

F1交配種(雄性不稔株)や遺伝子組み換え種は使わない方がいい。
種は生命をつないでゆくもの、人工的に操作されたものより、自然の力で受け継がれてきた優良な種を使用する。

可能なものは「自家採種」を行い、生命をつないでゆく。

F 人と人、人と自然の心のつながりを大切にする。

心のつながり、生命のつながりを感じることのできる農園にしたい。
そして、そのつながりの中に自然の恵みと「愛」を感じ、ともに幸せになることを目指す。
・・・・だから、「しあわせ農園」と名付けた。 福祉の目的は「幸福」にある。

人と人、人と自然が、共に楽しく、共に幸せに生きる世界。

農業は心。心が通じなければいい野菜はできない。
生き物(自然)に対する思いやり、生命に対する慈しみがなければ育たない。

生命のつながりと心のつながりを大切にする。
人を幸せにする福祉と、生命を育む農業は共通点が多い。
私たちは「つながり」の中で生きている。生かされている。
だから、身近な自然を大切にし、隣人を愛する。

しあわせ農園は、『自然共生農園』です。

2017.12.9