私の考える自然共生農園とは(しあわせ農園)

私の考える『しあわせ農園』とは、こんなところ。
まだまだ模索中で、日々、新しい発見や学びがあり、中身を更新しております。小さな畑ですが、微生物はもっと小さくても地球を動かしているのだから、無謀な妄想であっても書いてみよう。無心に生きる(耕す)ことにより、友を呼び、新しい世界が見えてくるかもしれない。まずは、1ページを開くところからである。

自然共生農園の7つの実践項目

1.土を大切にする。

「土」は生態系の基盤である。生物の宝庫である土を大切にする。
土づくりの三役は、植物の根っ子と微生物とミミズである。彼らが暮らしやすいように、土壌環境を整えてあげる。
一握りの土に何十億という微生物がいる。植物の根と微生物は共生関係にある。
土の表面を露出しないようにする。草をかぶせ(草マルチ)草生栽培にする。湿度と通気性を保ち、団粒構造を維持する。(耕うん機で土中環境を破壊しない)
「土から出たものは土に還す」という有機栽培の原則を守る。
人は土から離れては生きられない。土は生命の土台である。健康な土から健康な命が生み出される。

2.不耕起栽培

基本、畑は不耕起。なるべく耕さない。土にダメージを与えない。土壌をかきまわさない。
土中の生態系を破壊しない。植物の根圏、微生物の共生圏を破壊しない。生命の営みを妨げない。
微生物の役割は、分解と合成。新しい生命の為の栄養素を産生している。
土壌の団粒構造(生き物の棲家)を保持する → 生命を宿す「生きた土」となる。

土を育て、生物多様性を保つ、一番いい(有効な)手段は不耕起であるということ。
大型農耕機械で大地をかきまわしたことが間違い。炭素を放出し、最大級の自然破壊となった。
地球は数の上では、圧倒的に「微生物の星」。微生物は進化の原動力になっている。膨大なDNA情報を有し、植物を生かし、人を生かす。(宿主を守る)

3.無農薬・無化学肥料栽培

農薬は生き物を殺す薬。自然を破壊し、人々から健康を奪い、地球環境を害する。
土の中の微生物を殺し(土中の生物多様性の喪失)、人の腸内細菌を殺し、病や障害の原因になっている。
化学肥料は、健全な養分循環を阻害し(バランスを失い)、大地から生命力を奪い取ってしまう。

有害化学物質や環境ホルモンは、自閉症(発達障害)や「現代病」を引き起こす一因である。
農薬によって殺し、隔離し(自然との分離)、命を奪う、工業的な農業ではなく、生命の源である「自然」に帰り、生命の中で生命を育む農業にする。とにかく殺さないこと、生命を大切にする。
有機野菜を食べることによって、農業を変え、環境を変え、健康を取り戻す。

4.自然に寄り添う「生態系農業」

生命のつながりを大切にし、「自然生態系」に沿った栽培を行う。(生態系栽培)
生態系の循環、分解と合成を繰り返し、バランスを保つ動的平衡、「生命の法則」に従い、自然の営みにゆだねる。循環することにより新しい生命が育みだされる。(循環農法)。
農業は自然の恵み、生態系サービス。自然によって生かされている。

「人は自然の一部」である。自然と一つになる。人と環境(地球)は一体。
人間は元来「自然」であるべき。自然を生かすことは、人を生かすこと。
自然が有する「再生力」を発揮する。(リジェネラティブ農業・環境再生型農業)
自然の中に溶け込む農的暮らしを心掛け、自然とともに生きる。

5.多様性を尊重し、共に生きる「共生栽培」

生物の多様性を尊重する。草や虫を敵としない。畑(自然界)に不要なものはない。
「草生栽培」、雑草をうまく活用する。緑あふれる農園、生命の楽園を作る。
緑を増やし光合成を促進 & 土中に炭素を貯留する → CO2の削減、地球温暖化対策になる。

単一栽培ではなく、多品種栽培(輪作)を行う。
自然とは「多様」なものであり、多様である方が健全で力強い。人においても個性を大切にする。多様性とバランスが健康につながる。(腸内細菌の活性化、人の健康、免疫力の強化、適応力の向上)
繋がり合うことにより、支え合うシステム、生命のネットワークを築くことができるようになる。共生社会のお手本となる。

6.「愛」をもって、利他的に調和する世界を目指す。

自然は利他的で、つながり合い、支え合って生きている。一つに調和する世界である。
その本質は「愛」にあり、多様なものを受容し、一つにし、幸福にする。
生命を産み出すのは愛の力。愛のあふれる美しい生命の楽園を目指す。

人も自然も幸福になる為には「愛」がなくてはならない。宇宙の根本(本質)は「愛」である。
畑と人生は愛を育むための場所と時間。共に生き、共に幸せになる。

しあわせ農園は、人と自然を幸せにする「愛のある農園」を目指します。

7.自然に回帰することにより、人も地球も健康になり、幸せになれる。

自然には2種類ある。外の世界(環境)に広がる自然と、自体内に広がる生態系。
人は「生命の集合体」。腸内環境は“おなか畑”と呼ばれ、約1000種類、数百兆個を超える細菌が棲み、生態系を形成している。「超生命体」である。

体内の土づくり(腸活)を行い、腸内細菌の多様性とバランスが保持されれば、生命活動が盛んになり、人は生き生きと健康になり、幸せに踏み出すことができる。発酵食品と有機野菜(食物繊維)をたくさん食べる。
幸せホルモン「セロトニン」は、微生物によって産生される。
自然とともに生き、自然を取り込んでゆくことにより(食育)、人の中にある「自然」が回復してゆく。人間らしい生き方とは、「自然」に生きることだ。

この農園は、サークルキュア・Circle Cure(生態系治療)を実践するための道場のような場所。
「自然」から学び、利他的に生き、つながり合って共生する。愛し合い、一つになって調和する。喜びがあふれる、幸せで平和な世界に生きる。

人と地球は一体です。「土」を大切にするところから、生物の多様性と地球環境を守ることができます。
Planetary Health(プラネタリーヘルス)という考え方にもとづき、人と地球の健康を目指し、畑の中でそれを実践してゆきます。

以上、思いつくままに書いた、7つの内容を実践する農園を、私は「自然共生農園」と呼んでいる。
各項目、共通する内容もあり、繋がりもある。また、書き尽くしていない点もあろう。ただ、大まかに意図するところを汲んでいただければと思う。

実践においては、他にもいろんなアイデアや手法があるだろう。どんどん工夫して頂ければいい。
本質を間違わなければいいのである。答えは自然の中にある。自然から学び、「自由」であることが大事だ。細かい規則や方法論にとらわれすぎない方がいい。自由に行う感覚。自然と向き合う「感性」の方が大切なのだから。何も考えずとも、畑に行けば体が勝手に動いていく、といった感じである。(泣いている赤子を見る母親のように)

自然というのは多様なものだから、人間もまた多様である。いろんな個性がある。その人間によって開かれる畑は、当然、多様なものになる。(畑は、真っ白なキャンパス、心の写し鏡のようなもの)違っていてもいいのである。大切なのは「本質」だ。

我々の永遠のヒーロー、ブルースリー先生が言われるように “Don’t think. Feel!” である。
どう感じるかは、人によって千差万別なのだから、自然農園の結果も個性的なものになる。マイ・オリジナル・ファーム、“私の楽園”を築けばいい。
日々新鮮に、新しいものを感じ、発見と感動、新しい試み、想いを形にしてゆければいい。畑の中は出会いとインスピレーションでいっぱいだ。多くの生命と”共生“することによって得られる喜びがある。

私たちの目指すところは、きっと同じなのだから・・・
幸せを願わない人はどこにもいないはずである。
そのための一つの方策が「自然共生農園」=「しあわせ農園」なのである。

2023.6.1 俊邦父




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