俊くんと山へ行こう!vol.4

■ 奥山雨山自然公園

永楽ダム〜東ハイキングコース〜展望台〜永楽池・・・歩行1時間半

【コース案内&ハイキング日誌】

2003年4月6日、晴れ。絶好のお花見日和。

 今日は泉南、熊取町の南東に広がる「奥山雨山自然公園」に行くことにしました。ここは大阪体育大学の東に位置し、永楽池を囲んで桜並木がつづくお花見の好ポイントです。池の東西は小高い山に囲まれ、それぞれにハイキングコースが設置されています。今回は展望台のある「東コース」を選ぶことにしました。

お花見でドンチャン盛り上がっている永楽ダムを渡り、周遊路をしばらく行くと、道路の左側に東コース登山口の標識があります。そこから急な登り坂になりますが、30分くらいで一気に展望台まで上がることができます。俊くんはもうだいぶ山登りに慣れてきたようで、無理に手を引かずとも、道の両側が危険でなければ一人でとっとこ登ってゆくことができます。足取りや身のこなしも軽いものです。親よりも威勢よく登ってゆきました。ハイキング道は、実に整備がいきとどいていて歩きやすく、木々の緑が美しいです。ひと汗かいた頃に展望台へ到着いたしました。ここからの眺めは、どのガイドブックを見ても『絶佳』と書かれているほど素晴らしい、360度のパノラマの展望を楽しむことができます。西は永楽池を挟んで雨山、その向こうに関西国際空港、東は奥山と呼ばれる明るい泉南の山々がつらなって見えます。展望台の下は芝生になっていますので、そこでお弁当にしました。

午後は、東コースの続きを尾根づたいに歩き、永楽池の南側に下山します。尾根道は日当たりがよくて明るく、歩きながらも左右の眺望を楽しむことができます。私はこのあたりの泉南の山が大好きです。「紀泉高原」へと連なってゆく泉南の山々の特徴は、低山地帯ですが、どの山も日当たりがよくて明るく、木々の緑も南国を思わせるように柔らかです。大阪湾から吹き上げる暖かな潮風を感じながら、明るい尾根道を歩く。これが、泉南の山を歩く楽しさです。人はこの山々を「古き良き時代の六甲に似ている。」と言います。

普段は静かな永楽池ですが、今日はお花見客でいっぱい。桜並木にそってダムのある場所まで帰りました。次に来た時には、雨山へと向かう「西コース」を歩きたいと思います。

永楽池と桜並木
東コース展望台
明るい尾根道

■ 東お多福山 ▲697m

登山口〜蛇谷〜東お多福山〜土樋割峠〜登山口・・・・歩行:約2時間

【コース案内&ハイキング日誌】

2003年4月13日、晴れ。

 今日登る山は、六甲の東、六甲山系の山の中ではめずらしい草原の山、東お多福山に登ります。
芦屋駅を北上し、芦有ドライブウェイを走って登山口まで車で上がりました。東お多福山は700mほどの山なのですが、すでにこの地点で、450mまで上がっています。途中、ドライブウェイでは春の陽光を浴びながら、車窓を開けて風を入れ、快適にドライブできました。眺めもロックガーデンのそばを通るのですこぶる良いです。道の両側にはところどころ桜が植えられていて、麓のあたりでは葉桜でも300mほど登ると、ちょうど今が満開で、お花見を楽しみながらハイキングのスタートです。

 登山口のバス停から左に入って、蛇谷ぞいの道を歩きます。4〜500m行くと東お多福山への標識があり、左に折れて沢を渡り、森林の中のジグザグ道を登ってゆきます。前日に少し雨が降ったので路面の土がほどよく柔らかくて登りやすかったです。俊くんも調子よく歩いています。時折、「ホーホケキョ♪」と鶯の声が聞こえ、「春だな〜」と感じました。小石のころがる道を行き、雑木林の背丈が低くなりはじめると、両脇に熊笹が茂る道となり、やがて視界が開けて前方になだらかな草原の山があらわれてきます。東お多福山です。ゆっくりと登り、約1時間で山頂に到着いたしました。
草原の上に敷物をしき、さっそくお弁当です。俊くんもよくわかっていて、「早くこの黄色いビニールシートを敷け!」とせかします。山頂は初夏を感じさせるくらい日ざしが強く、暖かです。南に向かって眺めると、右手に六甲山、左手に奥山貯水池、前方には芦屋の市街とその向こうに海岸線がのぞめます。春風がとても気持ちいいです。

 下りは土樋割峠の方に向かい、雑木林の中の歩きやすい道を下りてゆきます。10分くらいで峠の十字路に出ます。そこを右折し鋪装された林道を歩いてゆきます。車はめったに通りません。右横を芦屋川の上流にあたる小川が流れていて、ところどころ水場があります。俊くんの好きな場所です。さっそく水遊びをはじめ、「六甲のおいしい水?」を飲んでいました。30分くらいで登りの時に通った道と合流し、バス停のある登山口へ着きました。その後、時間もあり天気も良かったので、近くにある奥山貯水池まで、ひと回りドライブしてきました。

草原を歩く
春風の吹くお多福山の草原
東お多福山 山頂

■ 金剛山 ▲1,125 m

ロープウェイ山頂駅〜遊歩道〜国見城跡〜葛木神社〜一の鳥居〜展望台〜「ちはや園地」
・・・・歩行:約2時間 距離:約3km

【コース案内&ハイキング日誌】

2003年4月27日、晴れ。

「山に登って健康になれ、幸せになれ!大衆登山の聖地、金剛山」
今月、発刊された『ヤマケイ関西』の特集号のキャッチフレーズです。あまりの意気込みに、ちょっと笑ってしまいましたが、大阪の人間がいかに金剛山を愛しているか、如実に表現した言葉だと思います。・・・実は、私もこういうのが好きで、記事を読んでいるうちに、金剛山のブナ林が見たくて、見たくてたまらなくなり、さっそく子供をつれてハイキングに行くことにいたしました。

 金剛山はすでに、独身時代あるいは結婚してからも、何度か訪れたことがあります。とりわけ、樹氷が見れる積雪のシーズンは美しく、あたり一面「銀世界」になります。よく使うコースはやはり正面から登る「千早本道」です。でも今回は子供連れ、無理をせずにロープウェイをつかって「ちはや園地」まで上がり、そこから山頂の国見城跡まで向かう「山頂周遊コース」を取りました。距離にして約3km、2時間の行程です。

山頂駅を降りると、ひんやりと澄んだ空気と、山の香りにつつまれ、空は青天、小鳥のさえずりが聞こえ、道の両脇には野花が色づく、最高のハイキング日和でした。私たちは時計まわりに、まず静かな金剛山遊歩道を通って、 国見城跡に向かいました。道はよく踏み固められた歩きやすい土の道で、きつい坂道もなく小さなお子様でも大丈夫。標識も随所にあり安心して歩けます。ゆっくり歩いて約1時間で国見城跡に到着しました。金剛山は、葛木岳、湧出岳、大日岳の3つのピークを総称して「金剛山」と言います。いちおう国見城跡で山頂ということになります。そこからは、富田林方面の大阪平野がよく見渡せます。そして、さすがに大衆登山のメッカ。人がいっぱい!みんな笑顔で語り合い、お弁当を広げたりしています。私どももここでお昼にしました。

 帰りは、転法輪寺と葛木神社を経由して杉の大木が並ぶ尾根道を歩いてゆきます。時折、木立の間から葛城山の姿が見られます。金剛山の植生は、今ではほとんど植林地帯となり杉、檜ばかりなのですが、山頂付近にはところどころ天然のブナの林が見られます。ブナは大阪では標高800mを越える山にしか見られない貴重な木で、白地にまだらの模様のある木肌で、容姿が美しく、風にそよぐ音や姿を見ていると、それだけで心が癒される。優しい木です。私は今回、金剛山に登って「やっぱりブナはいいなあ〜」と思いました。一の鳥居をくぐり、しばらく行くと展望台があります。そこからは、さすが大阪の主峰と思わせるような、360度の素晴らしい展望が開けます。

山頂から約1時間で「ちはや園地」に戻ることが出来ました。 「ちはや園地」には香楠荘や「星と自然のミュージアム」があり、子供向けの遊具もありで、ちょっとした公園になっています。車椅子の方でも、草木の観察を楽しめるようにバリアフリーのスロープもついています。冬には雪遊びをする子供たちで賑わうことでしょう。

以上が、今回行きました、金剛山のコース案内です。
いつの日か、俊くんがもっと逞しくなったなら、ロープウェイを使わずに「千早本道」を歩く、正面登山に挑戦してみたいものです。

付記:ロープウェイの乗り場の近くには大型の駐車場があり、「療育手帳」を見せれば無料です。 ロープウェイ自体も、介護者を含め料金は半額です。冬期の登山には、アイゼンが必要となります。

ブナとパパと俊くん
美しいブナ林

金剛山の自然
展望台にて


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