俊くんと山へ行こう!vol.6

■ 近つ飛鳥 風土記の丘

近つ飛鳥博物館〜風土記の丘(展望台)〜平石城趾・・・歩行時間:約2時間半

【コース案内&ハイキング日誌】

2003年 6月 8日、晴れ。

 『飛鳥』という地名を聞くと、みなさま奈良県の南に広がる大和盆地の「飛鳥」を思い浮かべられるでしょうが、ここに書かれているのは、河内の飛鳥。難波の宮から大和へ向かう途中にある、近い方の飛鳥(だから、近つ飛鳥と呼ぶ)です。渡来人によって栄え、多くの古墳や土器などの史跡が残されています。

本日のコースの出発点は「近つ飛鳥博物館」、コンクリートでできた近代的なデザインの博物館で、中にはびっくりするほどの設備が整っていて、『古代』を表現した本格的な博物館です。(考古学が好きな方は、ここだけで一日中楽しめるかもしれません。)館内をひと回り見学した後、受付でイラストマップをゲットし、「風土記の丘」の散策へ出発です。

風土記の丘には102基におよぶ古墳(一須賀古墳群 )があり、森の中に洞穴のような、石作りの横穴式石室をたくさん発見できます。夏日でカンカン照りでしたが、森の中を行く今回のコースは、ほとんどが木陰の涼しい道でした。約30分で丘の上にある展望台に到着、しばらく休憩しました。でも、ここでゴールにすると、今の俊くんには少し物足りないような気がして、展望台から東へ約1.5km進んだところにある平石城趾まで足をのばすことにしました。起伏の少ない緑の中の1本道を行くと、途中、右手前方に葛城山が見える眺めのよい尾根道に出て、爽快な気持ちになります。平石城趾は石柱と小さな祠があるだけの所でしたが、お弁当を広げるのにちょうどいい場所でした。

バスを利用される方は、そのままコースを直進し、高貴寺に向かうのも一案かと思います。( 高貴寺は、「香気寺」とも言い、香草が匂い立つ幽玄な古寺です。空海が愛し、しばしば足を運んだ場所でもあります。)我々は、車を博物館においたままなので、引き返し、館内の涼しい喫茶コーナーでミックスジュースを飲んで帰りました。

風土記の丘、古墳の前で・・
平石への道から見た葛城高原

■ 雨山 ▲312m

永楽池〜西ハイキングコース〜小屋谷山〜雨山〜成合・・・約4km、歩行時間:約3時間

【コース案内&ハイキング日誌】

2003年 6月21日、晴れ。

 梅雨の中休み、二週間ぶりにスカッと晴れた週末です。
今日は、私の大好きな泉南の山へ。「奥山雨山自然公園」の中にある西ハイキングコースから、小屋谷山、雨山へと登り、成合へと抜ける、魅力たっぷりの山上周遊コースに向かいました。

 永楽池の手前にある駐車場に車を止め、数メートル行くとすぐ右手に西ハイキングコースの登山口があります。いきなり本格的な山道(このお手軽さが、なんとも言えない魅力の一つです)。道幅は狭く急ですが、このあたりの山はまだ自然林がたくさん残されていて、松やコナラ、カシなどの美林が多く、同じ緑でも、葉の種類によって色とりどりで、変化があり歩いていて飽きることがありません。しばらく行くと見晴しのよい尾根道となり、岩場も多くなります。俊くんが四つん這いになって、全身を使いながらよじ登るのにちょうどいい、俊くんのトレーニング・フィールドといった感じの道がつづきます。ただ、ヤセ尾根ですので道幅が狭く、両側はすとーんと落ちた崖になっていますので、障害児の場合しっかりとした保護者がついて手を引いていなくては危険です。

小屋谷山から雨山へとつづく尾根道は、まるでミニ・アルプスのようでスリル満点です。展望台はなくとも、眺望は道のどこからでも楽しむことができ、次々にパノラマのように展開されていく山々の風景にうっとりします。汗をびっしょりかきながらも、気分は爽快!
気がつけば永楽池を出てから2時間近くたっていて、3kmは歩いています。途中、 小屋谷山付近で少し休憩は取り、ゆっくりゆっくり歩いているのですが、登りで俊くんがこれだけつづけて歩いたのは初めてです。たいしたものです。雨山に着いた時、おもいっきり褒めてやりました。

雨山には南北朝時代の城跡が残されていて、近くに土丸という出城もあります。山頂付近は「住民の森」と呼ばれる広場があって、涼しい木陰にシートを広げて、お弁当をとることができました。あたりはとても静かで、こんなに良いところなのに人の気配がありません。(やっぱ、穴場ですね)

 下りは、大阪体育大学のある成合方面に下りました。登りとはまったくちがった雰囲気で、道は太くしっかりとしていて、木組みの階段が付いていたりするのですが、谷沿いの道でじめじめとした日陰です。まわりは杉の植林地帯となっています。森林浴にはいいコースですが、(多くの方はこちらから昇り下りされるのでしょう)やはり、雨山の魅力はなんといっても明るい尾根道にあると思います。30分くらいして、ちょろちょろと流れる小川のせせらぎが聞こえてくると、阪和自動車道の高架が見えて来て、車道に出ると右折し、500mほど歩くと出発点の、駐車場に帰ることができます。

梅雨とは思えない好天に恵まれ、充実した一日でした。
俊くんは自動販売機を発見し、サイダーをぐびぐび飲んでいました。(日焼けした、いい面構えです)

PS:本年度前半のハイキングは、おそらくこれで終了です。7〜8月は「海水浴」モードに切り替えます。週末の泉南、「サザン・ビーチ」か、「ぴちぴちビーチ」に行けば、ばったりお会いできるかもしれません。
では、また。後半戦の「秋・冬のコース」をお楽しみに・・・

西ハイキングコースの尾根道
雨山(右)と土丸城趾(左)

■ 神於山(こうのやま) ▲296.3m

国見の森〜休憩所〜国見台〜意賀美神社・・・・約3km、歩行時間:2時間

【コース案内&ハイキング日誌】

2003年 9月 6日 晴れ。

 まだ、残暑の厳しい9月上旬、岸和田の展望台と呼ばれている「神於山」(こうのやま)に登ることにしました。大阪から阪和道を南に走ると、岸和田のサービスエリアの手前あたりで、右手に緑の綺麗な雑木林の丘が見えます。『里山』という言葉がぴったりと似合うような山です。車に乗りながら、いつも気になりながら眺めていました。今回はそこへ行きます。

神於山は岸和田市のちょうどまん中にあり、春木川の源流が流れていて、蜻蛉池公園の裏山にあたります。岸和田市民にとっては大切な里山だと思います。『だんじり』で有名な岸和田ですが、ぜひ『緑の岸和田』として 神於山の緑を守っていただければと思います。
過疎化や林業の衰退によって、里山は放置されていることが多いらしく、 神於山も中に入ってみると、かなり荒れている状態です。自然というのは放置しておくのが自然ではなく、人間も自然の一部として自然界の中に入り、万物の霊長として知恵を使って自然を育て、バランスをとりながら共存してこそ、美しい自然が保たれるのだと思います。(ちょっと、カッコイイことを言ってしまいました)

一方では、近年『緑を守る』運動も高まりつつあり、今年(2003年)春の大阪府「植樹祭」は、この 神於山で行われました。地元の小学校のちびっ子たちや、多くの方々の手により、この里山に木が植えられました。3〜40年たってこの木が育った時、 神於山が美しい森林公園となり、市民の憩いの場となりますことを祈ります。

 さて、俊邦はというと、コンクリートの道に少々嫌気がさしたのか、うだうだしながら登り、国見台でお弁当をひろげました。山頂付近にある展望台は薮におおわれていて何も見えず、DO-CO-MOの鉄塔がある城見台も蜘蛛の巣がたかっていて視界は閉ざされています。すこし脇道にそれた場所にある「国見台」がかろうじて西方面に展望が開け、岸和田の市街をみわたすことができます。(標識がないので見落としやすい)蜻蛉池公園の大池と「緑と太陽の丘」が輝いて見えました。
あとは、意賀美神社(おがみじんじゃ)横の津田川にかかる雨降りの滝で涼んでから、家に帰りました。

国見台にて・・
国見の森にある池


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